お知らせ

2026.07.21(Tue) がんじゅ

就労選択支援 が目指す“働き続ける力”とは?「就職できるか」よりも大切なこと。就職はゴールではなくスタートライン!

「就職できるか」よりも大切なことがあります。 就労選択支援 が目指す“働き続ける力”とは

保護者の方とお話ししていると、最も多くいただく質問があります。 「うちの子は就職できますか?」 高校卒業が近づくにつれ、この不安はますます大きくなります。 「一般就労がいいのだろうか」「就労移行支援が合っているのだろうか」「まずは生活訓練から始めた方がいいのだろうか」。 進路を考える中で、「就職すること」が大きな目標になるのは自然なことです。 しかし、私たちは保護者の方へ、もう一つ大切な問いをお返ししています。

「就職できるか」ではなく、「働き続けられそうか」という視点も、一緒に考えてみませんか。  

就労選択支援 就職できるかよりも大切なこと

就職は「ゴール」ではなく「スタート」です

就職が決まることは、とても喜ばしいことです。 本人にとっても、ご家族にとっても、大きな節目になります。 しかし、本当に大切なのは、その先です。 働き始めてから困ったときに相談できるか。 疲れがたまったときに、自分で気づくことができるか。 生活リズムを整えながら、無理なく通勤を続けられるか。 就職したその日から、新しい生活が始まります。 だからこそ私たちは、「就職できること」だけでなく、「その人らしく働き続けられること」を大切に考えています。  

働き続ける力① 生活リズムを整える力

どんな仕事であっても、毎日決まった時間に起きて、通所・通勤することは基本になります。 生活リズムが整っていないと、体調を崩しやすくなったり、仕事に集中できなかったりすることがあります。 もちろん、最初から完璧である必要はありません。 大切なのは、自分の生活リズムを理解し、少しずつ整えていくことです。 就労選択支援 では、通所状況や日々の様子を振り返りながら、無理のないペースを一緒に考えていきます。

 

働き続ける力② 「助けてください」と言える力

仕事をしていると、誰でも困ることがあります。 分からないことを質問したり、体調が悪いときに相談したりすることは、決して特別なことではありません。 しかし、「迷惑をかけたくない」「怒られるかもしれない」と思い、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。 私たちは、困ったときに相談できることも、大切な力だと考えています。 就労選択支援 では、面談や振り返りを通して、自分の気持ちを言葉にする練習も大切にしています。

「助けを求められること」は、弱さではありません。働き続けるための大切な力です。

 

働き続ける力③ 自分の変化に気づく力

「今日は少し疲れているな」「最近、眠れていないな」。 こうした小さな変化に気づくことは、体調を大きく崩さないためにとても大切です。 障害のある方の中には、頑張りすぎてしまい、不調に気づいたときにはすでに限界に近づいているというケースもあります。 だからこそ、自分の心や体のサインを知り、早めに休息を取ったり相談したりする力を育てることが重要です。 私たちは、日々の振り返りを通して、「自分を知る力」を少しずつ育てていきます。

後編では、残り2つの「働き続ける力」とともに、 就労選択支援 が目指す本当のゴールについてお伝えします。  

働き続ける力④ 自分に合った働き方を選ぶ力

「早く就職したい」という気持ちは、とても大切です。 しかし、その気持ちだけで進路を決めてしまうと、働き始めてから「思っていた仕事と違った」「自分には負担が大きすぎた」と感じることもあります。 就労選択支援 では、さまざまな作業体験や振り返りを通して、自分に合う環境や働き方を一緒に考えていきます。 一般就労を目指すことが最適な方もいれば、まずは生活訓練や就労継続支援B型で生活リズムや働く経験を積むことが、その人らしい選択になる場合もあります。 大切なのは、「早く決めること」ではなく、「自分に合った選択ができること」です。  

働き続ける力⑤ 自分で選び、自分で決める力

就労選択支援 の主役は、本人です。 支援者や保護者、学校の先生が一生懸命考えた進路であっても、本人が納得していなければ、不安や迷いを抱えたまま新しい環境へ進むことになります。 私たちは、本人の思いに耳を傾け、「どうしたいのか」「どんな暮らしを送りたいのか」を一緒に整理していきます。 もちろん、すぐに答えが出ないこともあります。 それでも対話や経験を重ねる中で、自分自身の考えを言葉にできるようになることがあります。 「自分で決めた」という実感は、働き続けるための大きな支えになります。

進路を「選んでもらう」のではなく、「自分で選んだ」と思えること。それが就労選択支援の大切な価値です。  

就労選択支援 が目指す、本当のゴール

ここまでご紹介した5つの「働き続ける力」は、どれも特別な能力ではありません。 生活を整えること、困ったときに相談すること、自分の変化に気づくこと、自分に合う環境を知ること、そして自分で選ぶこと。 こうした力は、一人ひとりのペースで少しずつ育まれていくものです。 就労選択支援 は、「どのサービスを利用するか」を決めるためだけの制度ではありません。 本人が自分を理解し、自分らしい働き方を見つけ、納得して次の一歩を踏み出すための制度です。 私たちは、そのプロセスを何より大切にしています。  

まとめ

保護者として、「就職できるだろうか」と心配になるのは当然のことです。 ですが、就職はゴールではなく、新しい生活のスタートです。 だからこそ私たちは、「働き続ける力」を育てることを大切にしています。 就労選択支援 を通して、お子さん自身が自分を知り、自分らしい進路を納得して選べるよう、一緒に考えていきたいと思っています。

 

よくあるご質問

就職を目標にしていなくても、就労選択支援は利用できますか? はい。就労選択支援は、本人が自分に合った進路や働き方を考えるための制度です。就職だけでなく、生活訓練や就労継続支援B型なども含めて、納得できる選択を支援します。
保護者も面談に参加できますか? ご本人の意向を大切にしながら、必要に応じて保護者の方にも面談へ参加いただきます。ご家庭での様子や将来への思いを共有していただくことは、支援を進める上で大切な情報になります。  

次回予告

「一般就労を目指した方がいいのか、それとも生活訓練や就労継続支援B型が合っているのか。」 進路を考えるとき、多くの方がサービス名から考え始めます。 しかし、本当に大切なのは、サービスを比較することではなく、「どんな暮らしや働き方を望んでいるのか」を考えることです。 次回は、「 進路選択 で後悔しないために―サービスを選ぶ前に考えたい3つのこと」をテーマに、進路を決める前に大切にしたい視点をお伝えします。

関連記事

【第3回】就労選択支援 約1ヶ月のアセスメントだから見えてくる5つのこと 大切にしたい視点

【第2回】進路選択で後悔しないために! 就労選択支援 は「判定」ではなく「自己理解」 自分で選ぶ進路が納得を生む

【第1回】就労選択支援 なぜ私たちは約1ヶ月かけて 就労選択支援 アセスメントを行うのか